技1 一分皮剥ぎ

 一分皮剥ぎというのは、「玄米の外側だけを約10%削る」技術のことじゃ。

 普通の精米と同じと思ってもらってはこまるぞ。普通の精米工程で10%削ったとしたら、それは「一分づき」じゃ。 我が工房がやっておるのは、「一分皮剥ぎ」なのじゃ。

 普通の精米は、米と米をすり合わせることで玄米の外側を削るのじゃ。 じゃから、10%削るとしたら、削れる場所は適当に10%こそぎ取るだけ。米の表面にたくさん傷が入るだけでなく摩擦熱もかなりたくさん出てしまうのじゃ。

 しかし、我が工房の一分皮剥ぎはいわば砥石で米を磨くような技術じゃ。削れる場所は米の表面、すなわち玄米の皮の部分だけなのじゃ。摩擦熱もあまり出ないので、削った後に発芽させることが可能なのじゃ。

 なぜ、皮を剥ぐのか?

 みかんだってりんごだって、みんな皮をむいてから食べるじゃろ?なぜ皮をむくかといえば、「皮がないほうがおいしいから」「皮があると硬くて食べづらいから」などとみんな答えるじゃろう。玄米を精米して食べるようになったのもこれと同じ理由じゃ。食べなれていないと玄米は硬くてぼそぼそしておるからのぉ。 しかし、その削ってとってしまっている部分=ぬかの方が栄養価が高いというのは、みな知っているようで知らないようじゃ。

 栄養価を犠牲にしておいしさを重視→白米
 栄養価を重視しておいしさを犠牲*→玄米
 (*玄米をお好きな方は味も犠牲にはなさっていないと思いますが、ごく一般の方の捕らえ方としてみていただけると幸いです。)

 という、主食選びの究極の選択を現代人は強いられておる。 そこで、栄養価とおいしさが両立するものがないじゃうか? と考えてたどり着いたのが一分皮剥ぎなのじゃ。

 一分皮剥ぎの利点と欠点

 玄米の表面は、人間にとっての栄養素で言い換えれば「食物繊維」でできておる。じゃから、皮を剥ぐことで食物繊維自体はちょっぴり減ってしまうのは事実じゃ。

 しかし、食物繊維を少々犠牲にしてでも、玄米の表面は人間にとって不都合なものがたくさん含まれているのじゃ。

 まず、玄米が「硬くて不味い」原因をつくっておるのが、まさにこの表面の硬い皮なのじゃ。 どんなに健康に良いものだろうと、毎日不味いと不満に思いながら食べるのは健康によくない。発芽玄米にすると、「やわらかくておいしくなる」といわれておるが、普段ふっくら炊き上げた白いご飯を食べている人にとっては、やっぱり食べづらいものじゃろう。 一分皮剥ぎすることによって、より白米に近い食感を得ることが出来るようになるのじゃ。

 さらに、玄米の表面は危ないものがいっぱいくっついておるのじゃ。一番怖いのが「農薬」じゃ。農薬にはいろんな種類のものがあるのじゃが、もしも食べる米にくっついているとしたら、それは米の表面にくっついておるのじゃ。 これは洗ったくらいではとることはできないのじゃ。 じゃから、きれいに外側だけを農薬ごと削らなければならなかったのじゃ。

 一分皮剥ぎで、栄養価をほとんど減らすことなく、味を改良し、その上安全性を高めることに成功したのじゃ。

 そして、この一分皮剥ぎが実現したおかげで、玄米が良く水を吸ってくれるようにもなったのじゃ。このことが、次の技「低温流水発芽」をあみ出すきっかけともなっておる。

 普通、古米は発芽しないと言われているが、一分皮剥ぎをすると古古米でも発芽させることが出来るのじゃ!



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