トレーサビリティについて

 トレーサビリティ(traceability)という言葉は、次のように分解することができます。
  「追跡、なぞる(trace)」+「〜されうること、〜の可能性(-ability)」
 したがって、「追跡可能性」と訳されることが多いようですが、「何を追跡するのか?」についてはこの言葉の中には含まれていません。

 近年、食の安全性に対する信頼性が失われたために、『自分が食べる物を自分の目で確かめて選びたい』と希望する消費者の方々が増えてきているのは皆さんもご存知のとおりではないかと思われます。しかし、例えば5kg入りの米を買ったとしても、パッケージには「産地●×、産年●年、品種×、内容量5kg」という情報しか書いてありません。産地が●×と書いてあったとして、その地方に農家の方はたくさんいらっしゃるでしょうから、その地方のどの地区で作られたのかまでは全く解りません。消費者は、「自分の目で確かめる」ことが出来ないのが現状といってよいでしょう。

 このように、手元にある食べ物が、「誰が、どのように栽培した原料を使っているのか」「誰が、どのようにしてその商品を製造したのか」まで、手元にある商品のことを消費者が調べる(追跡する)ことが出来るかどうかが、食品業界におけるトレーサビリティです。

 トレーサビリティを高めるといっても、色々な方法があります。最も大雑把なやりかただと「パッケージに全ての情報を記載する」といったところでしょうか。しかし、パッケージのスペースは限られていますから、虫眼鏡でもわからないようなものが出来かねません。さらに、食品には青果などといったものは書き込むパッケージすらないものも多くあります。情報を出すために不要なパッケージングを施せば、環境と消費者の財布に著しい負荷をかけることにもなりかねません。

 そこで、「消費者が欲しいと思ったときに、欲しいだけの情報が入手できるようにする」ことが大切です。これを実現するためには、

  1.生産者が、消費者が求めている情報を「記録」すること
  2.消費者がいつでも情報を閲覧できるシステム
                         の二つが必須です。

 そして、最も大切なことは、「嘘をつかないこと」。どんなにすばらしいシステムをつくって、膨大な情報を出そうと、書いてある情報が嘘だったら何の意味もありません。したがって、書いてある内容が嘘ではないことを証明するための工夫も必要になってくるでしょう。

 トレーサビリティに関する法規制や統一規格は現段階ではありません。したがってない様に関してはメーカーや組合が自主的に行っているのが現状です。近いうちにガイドラインがでるような記事をどこかで見ましたので、それが出たらまたご報告申し上げます。

 



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